10人が感染、4人が発症
神奈川県横須賀市で同じ会社に勤める10人が結核に感染し、このうち4人が発症していたことがわかりました。
市は、全員治療を行っているため、これ以上感染が広がる恐れはないとしています。
横須賀市によりますと、市内にある工場に勤めている20代の男性従業員が、去年12月からせきや発熱の症状があったため、ことし1月に市内の医療機関を受診して検査したところ、結核と診断されたということです。
男性は症状が出た後にバスで社員旅行に出かけていて、市が同僚など28人を調べたところ、先月までに20代から60代の男女あわせて9人に感染が広がり、このうち20代の男性3人が発症していたということです。
最初に症状が出た男性は一時、入院していましたが現在は退院しているほか、ほかの9人も治療を受けて快方に向かっていて、市はこれ以上、感染が広がる恐れはないとしています。
市はせきや発熱の症状が2週間以上長引いたり、体重が減ったりするなど結核が疑われる症状がある場合は、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。(NHK)
7月10日、岡山でも集団感染
岡山市保健所は10日、市内の60代女性が結核を発病し、接触のあった家族と職場関係者の計5人が集団感染したと発表した。いずれも入院や服薬の治療を受けており、感染拡大の恐れはないという。
市によると女性は昨年9月ごろからせきがあり、今年4月7日に市内の病院を受診し結核と診断された。市は、同居の家族3人とアルバイト先の飲食店従業員ら5人を検査。家族3人の発病と職場の2人の感染を確認した。
女性は市内の病院に入院しているが、命に別条はないという。家族3人も重い症状ではなく、せきなどで結核菌を拡散する状態ではないとしている。
市は10日、集団感染を厚生労働省に報告した。岡山県内の結核の集団感染は2018年12月に県備前保健所管内で発生して以来。(山陽新聞 2020年07月10日 22時21分)
結核
結核(けっかく、Tuberculosis)とは、マイコバクテリウム属の細菌、主に結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) により引き起こされる感染症。
結核菌は1882年にロベルト・コッホによって発見された。日本では、明治初期まで肺結核は労咳(癆痎、ろうがい)と呼ばれていた。
現在でも多くの人が罹患する病気で好発部位は肺であるが、全身の臓器・器官に感染し、顕著な症状を呈している部位名の前後に「結核」を付け加えるなどした呼び方により細分化される。
世界保健機関 (WHO) によると、結核はHIVの次に死者の多い感染症であり、2013年には900万人の患者が発症し150万人が死亡した。
結核による死者の95%以上は低中所得国であり、それらの国々では15-44歳女性のトップ5死因に入る。
WHOは2017年にも1000万人が新たに結核と診断され、160万人が死亡したと推定している。
このままでは国際連合が持続可能な開発目標(SDGs)で掲げる「2030年までの結核流行終息」達成が難しいとして各国の対策強化を求めている。また世界では50万人の0-14歳児童が結核に感染しており、2013年では8万人(HIV陰性)が死亡した。またHIV患者はリスクが26-31倍となり、HIV患者の4人に1人は結核で死亡している。
感染様式は結核菌を含む飛沫核の吸入による空気感染で、結核患者からの咳、くしゃみ、唾より感染する。
世界人口の3分の1が結核菌に感染しており、毎秒の単位で感染患者が発生している。
抗菌剤が効かない多剤耐性肺結核 (MDR-TB) や「超多剤耐性」(XDR) の薬剤耐性が問題となっている。(Wikipedia)